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老いゆく父

私には今年で80才を迎える父がいる。母は10年前に他界し、兄弟はみな結婚して家を出て、今は私と父との二人暮らしである。父との二人暮らしは、もう10年になる。

そんな静かで穏やかな日々が続いているが、私は最近父の老いを、徐々に感じるようになってきた。テレビの音が聞きずらいと言い、大音量でテレビを観ていたり、膝が最近痛いと言い、日課の散歩を中止することが多くなった。また最近、目に見えて髪が薄くなり、目が霞んで痛いと言うようになった。

そんな父の背中が、最近小さく見える。私は寂しさを禁じ得ない。私も今年で49才。今まで父には、愛情をかけて育ててもらった。私の脳裏には、厳しくて強くて威厳のある父の姿が、焼き付いている。だが最近の父の姿からは、その面影すら感じられなくなった。だが、私が父の体を心配すると、父は馬鹿にするなと怒り始める。私はそんな強い父が好きだ。私は今年で49才、重い精神疾患を抱えているが、なんとか父が健在なうちに、一つでも多く親孝行がしたいと思っている。本当に私は、病気をして、父にはいっぱい迷惑を掛けてしまった。多分私は、死ぬまで薬を飲まなければならないだろう。父の健在なうちに、私のウェブライターで稼いだ初月収で、父の大好きなワンカップを買ってあげたい。それが、今の私の願いである。

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