強迫性障害について PR

私を救ってくれた森田療法(後半)

森田療法との出会い

私は工場も退職し、強迫性障害も一向に治らぬまま、鬱々とした気分で家に引き籠っていました。当時32歳、自分の人生は終わったと思いました。無職で精神疾患を抱えて、この先この競争社会をどうやって生き抜けばいいのか、全く分かりませんでした。

とある日、私はふらっと近所の本屋さんへ行きました。そして何気なく書棚を見ていると、「森田療法」という本に目が行きました。私は目次をパラパラとめくり、興味を引かれたのでその本を購入し、急いで自宅へと帰りました。そして自室で一ページ目を読み始めると、夢中になってしまい、一晩掛けて、一気に読み通してしまいました。

正に「目からうろこ」でした。

私の雑念恐怖症は、一夜にして目を見張るほど、改善しました。

正に森田療法は、強迫性障害を克服する為の奇跡の法と言えます。

私が心打たれた教えが、いくつかあります。

「恐怖突入」 不安感情、不快感情があっても、その感情から逃げること無く、その感情を真っ向から受け止めて、為すべきっことを為していく、という教えです。恐怖を怖れ逃げるのでは無く、恐怖の中に飛び込むのです。

「不安常住」 不安から逃げるのでは無く、常に不安と一体化せよ、という教えです。不安と一体となれば、不安感は初めは強く感じるが、時を経るごとに小さくなり、終いには消滅します。

「あるがまま」 症状はあるがままに受け入れて、一切のはからいごとを止め、向上心に乗って自分の為すべきことを為して行けば、人生は自ずと開けていく、という教えです。

恐怖、不安、不快を感じても、はらはらどきどきしながら、為すべきことを一つづつこなしていく。この様な生活態度が、森田療法の神髄であります。

私は、この本を3回読み返しました。体の底から、力が湧き出てきました。私は、(人生、まだ行ける!まだ、挽回できる!)と、強く思いました。

私は無為徒食の生活と縁を切り、昔からの夢だった公認会計士試験に、再チャレンジすることを決心しました。

当時32歳、胸は夢と希望で膨らみ、森田療法の精神で生きていくことを決心した私でした。

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