告白します。
私は精神障碍者であるとともに、身体障碍者でもあります。
身体のどこが悪いか?
私は吃音の障害を持っているのです。
言葉を話す時に、どもってしまうのです。
う……辛い……
私が自分の吃音を自覚したのは、10歳の時、小学4年生の時でした。
その当時、私は学級委員長で、毎朝クラスメイト全員の前で、朝の挨拶をしていました。
とある朝の挨拶の時でした。
「皆さん、お、お、お……」
私は「おはようございます」と言いたかったのですが、どうしても言葉が詰まって、口から言葉が出ませんでした。
私は皆の前で大恥をかき、先生に気分が悪いからトイレに行かせてくださいと言い、その場から逃げ出しました。
この出来事があって以来、私は吃音を、強く意識するようになりました。
神は何故、年端もいかない10歳の子供に、この様な重い十字架を科すのでしょうか?
私は神を恨み、呪いました。
私は10歳で吃音を自覚し、20歳で親に吃音を相談するまで、10年間吃音を周囲の人にばれない様に、隠し続けて生きてきました。
暗黒の10年間でした。
私は現在50歳。
吃音を自覚してから40年。
最近になって気付いたことは、話す時、どもっていても良いということ。
吃音を隠す必要は無いということ。
吃音は恥では無いということ。
自分の話したい内容を、話したい言葉で、話したい順番で、ゆっくり、堂々と、話せば良いのです。
言葉は、相手に伝えたい内容を伝えるための手段です。
相手に内容が、正しく伝われば良いのです。
かっこよく話す必要はありません。
私はこのことに気付くのに、40年掛かりました。
どもりは言語障害ですが、恥ずべきものではありません。
私は今日も元気に、マクドナルドで照り焼きマックバーガーを、堂々と注文します。
「すみません。て、て、てりやきマックバーガーを、ひ、ひ、ひとつ!」




