被害妄想とは?
被害妄想とは、他人が自分に対して悪意をもっている、あるいは害を及ぼそうとしていると信じることを指します。
例えば、誰かが自分のことを悪く言っている、監視している、あるいは自分に危害を加えようとしていると感じることがあります。
このような考えは、現実には根拠がないことが多いですが、本人にとっては非常にリアルに感じられます。
被害妄想は統合失調症の一疾患で、適切な支援や治療が必要です。
被害妄想に襲われている本人には全く病識が無く、全てが現実であるため、周りにいる人のサポートが重要になってきます。
私を苦しめた被害妄想
私は在日韓国人三世で、小、中、高校と民族学校に通いました。
その為愛国心が非常に強く、祖国統一を強く願っています。
この様な成育環境が、後に被害妄想に襲われる原因になったと思われます。
私は33歳の年、公認会計士になる為、勤めていた会社に退職届を叩き付け、一日十時間以上の猛勉強を始めました。
私の心の底には、一生懸命に勉強して、祖国の為に微力ながらも尽くしたいという願いが、強くありました。
そんなある日、私は幻聴が聞こえてくる様になりました。
「お前は民族の英雄だ!祖国統一を成し遂げ、65年に渡る民族分断の歴史に、幕を降ろすのだ!」
「さあ早く勉強の前に、オナニー済ませちゃいなさい!」
私は段々と、正気を失っていきました。
この頃から自分は、朝鮮民族の英雄で、いずれ自分が祖国統一を成し遂げるものと、思い込む様になっていきました。
そして自分は、日本政府、公安警察から、24時間監視されていると思う様になりました。
家の中は監視カメラで24時間監視され、電話は盗聴され、自分は最重要要注意人物として公安警察に、尾行されていると思う様になりました。
探偵事務所に依頼して、家の中に監視カメラ、盗聴器があるか調べてもらいましたが、その様なものはありませんでした。
外出する時は、公安警察に尾行されていることを前提に、行動しました。
この頃、私は完全に正気を失っていました。
自分の周りで起こる出来事は、全部現実だと強く思っていました。
そう!全く、病識が無かったのです!
これは全て、統合失調症の症状の一つである「被害妄想」です。
この頃から私は、家庭内で父や母に対して、暴力を振るうようになっていました。
本当に些細な理由で、父や母に反発し、家の中で大暴れしていました。
そんな私を見かねた父が、苦渋の決断をしました。
私は医療保護入院制度によって、精神病院に強制入院させられることになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は私が実際に体験した、統合失調症の症状の一つである「被害妄想」について、お話しさせて頂きました。
被害妄想の恐ろしいところは、自分に全く病識が無いことです。
全ては現実として認識されるのです。
したがって自分が病気だという認識も無く、精神科に足が向かうことも無いのです。
被害妄想は恐ろしい病気です。
統合失調症は早期発見、早期治療が、回復への唯一の近道です。
今は良い薬が開発されているので、先ずは投薬治療をすべきです。
自分の身の周りに心配な方が居たら、一日も早く相談に乗ってあげて、医療に繋げて下さい。