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「不安のしずめ方」(著:加藤諦三)を読んで

「不安のしずめ方」を読みました。最後の第8章に差し掛かった時には、目に涙がにじんでいました。何て素晴らしい本なんだ!歴代の名著と呼ぶに相応しい本です。

この本ほど社交不安障害の私を慰め、励まし、明日に導いてくれるものはありません。少しでも不安感に悩んでいる方に、是非お勧めしたい一冊です。

特に感動した箇所が3か所あります。まず最初。「現実が本当に大変なのか?それとも現実は大変ではないのに、自分の内面の不安で現実に反応するから大変と感じているのか?」

この一文で気づかされたのは、私は困難な現実に直面しているのではなく、「不安というメガネ」を掛けて周りを見ていたので、全ての物事が困難に感じていたのです。大切なことは困難を克服することではなく、「不安というメガネ」を外すことです。

続いて、「『大変なことになる』と不安に思っていることの多くは、ほとんど大変なことにならない。」という一文。

私は極度の被害妄想(統合失調症の主な症状)から、2回も医療保護入院しています。被害妄想のため毎日毎日、何か自分に大変な災いが起こるのではないか、と怯えながら生きてきました。しかし正気に戻って良く考えてみると、全てが幻なのです。全て被害妄想が為せるわざなのです。

そして最後に、「あなたを苦しめているのは現実の困難か、それとも想像力で歪められた困難か?」という一文。

そうです!私が毎日苦しめられている困難、苦しみは、頭の中で作られた想像力の産物なのです。現実にはその困難を克服できるか出来ないかという以前に、その困難は存在しないのです。狭い土俵の上で独り相撲を一生懸命に取っていたのです。眼を覚ませ、ひでまる!

不安を打ち消すのではなく、不安と同居するという「不安常住」という森田療法における考え方。不安と同居しほおっておけば、不安はその内勝手に消滅してしまうそうです。勉強になります。

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